乳がんとは
乳がんは乳腺にできる悪性腫瘍です。
乳腺は小葉と乳管からなっています。乳腺は乳頭から木の枝のように放射状に広がり、その先に小葉と呼ばれる母乳を作るところがあります。母乳を乳頭まで運ぶのが乳管です。
乳がんの多くは、この小葉を構成する細胞から発生します。
乳房の変化に気付かず放置していると、がん細胞が増殖して乳腺の外にまで広がり、リンパや血液の流れにのって、肺や肝臓、骨など乳房から離れた臓器にまで及びます。
日本では、乳がんにかかる女性は年々増えており、2008年では年間約4万人でした。日本人女性の20人に1人が乳がんになるといわれていますまた乳がんで亡くなる方も、ここ50年間で7倍近くに増えています。
2008年には1万1千人を超える方が亡くなりました。
また、乳がんは、壮年女性(30から64歳)のがん死亡原因第1位となっています。
お若いからといって安心は出来ません。
※2008年 厚生労働省人口動態統計概数
女性壮年層では死亡原因の1位は乳がんです
最近の乳がんの発生は20歳過ぎからの若い世代で認められ30歳代ではさらに増え40歳代後半から50歳代にピークを迎えます。これ以降は少し減少しますが、80歳代まで発生率は高いままで推移していきます。
20歳を過ぎれば乳がん年齢です。
乳がんの羅患者数と死亡者数の推移
定期的な乳がん検診はとても重要
乳がんによる死亡率は日本のみが、上昇傾向です。
アメリカ・イギリスではマンモグラフィ検診の普及や啓発運動により1995年から死亡率は、減少傾向です。
早期発見のために
乳がんの早期発見のためには、定期的に受ける健康診断「定期検診」と、日ごろから自分で行う「自己検診」を組合わせるとよいでしょう。
乳がん検診を受けましょう
問診、視触診だけでなく、画像検査と組合わせて受けるほうが早期発見につながるといわれます。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィとは、乳房専門のレントゲン検査です。
乳房を透明な板に載せて、はさみ上下左右の二方向から撮影。はさむことで内部をはっきりと映し出すことができます。
さわるだけでは発見できない「しこり」やがん細胞の死骸の「石灰化」、乳がんによる乳腺のひきつれまで確認できることで、しこりになる前の「小さながん」も発見できる利点があります。
一方で、マンモグラフィでは「しこり」そして、乳腺自体がともに白く映るため、乳腺が発達している若い女性の場合、「乳がん」やしこりを発見しづらい場合もあります。
※厚生労働省では、40歳以上の女性に対して『2年に1回』のマンモグラフィ検診と視触診の併用診断を推奨しています。
エコー(超音波)検査
乳房に超音波をあてながら、反射してくる超音波(エコー)をもとに、乳房内の断面像を写し出す検査です。
放射線を用いない検査で、乳腺は白く、がんは黒く映るので、乳腺が発達している若い人や妊娠・授乳中の方でも検査を受けることができます。