■気づかないうちに高血圧?
血圧値が140/90ミリHg以上というのが高血圧の基準です。
そうなったらすぐに分かるといいのですが、自覚症状はほとんどありません。
肩こりや頭痛を訴える方もいますが、これらも高血圧特有の症状ではないのです。
そのため、高血圧は定期的に血圧を測っていないと発見しにくく、またせっかく定期健診等で早期発見できても、残念なことに放っておかれる方が多くいらっしゃいます。
そのままにしていると、血管が硬くなる動脈硬化になったり、心臓病や脳卒中など命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。長年かかってひそかに血管を蝕んでいく、「サイレント・キラー」とも呼ばれるこわい病気なのです。
■これらがあなたを高血圧へ
人を高血圧になりやすくする危険因子としては、遺伝、肥満、耐糖能異常(糖尿病予備軍)、ストレス、喫煙、塩分の多い食事、飲酒の習慣が挙げられ、これらを多く持っている人ほど高血圧になりやすいと言えます。
データによれば、子が高血圧になる確率は、両親がそろって高血圧の場合約50%、片親だけが高血圧の場合は30%。遺伝があっても、その他の環境的な危険因子をなくせば高血圧にならないということです。
逆に親が高血圧でなくても、子が高血圧になることがあります。後天的なライフスタイルが大きく影響しているのです。
■減塩から始めましょう
高血圧の予防や対策としては、何といっても食事の減塩です。
日本人の平均食塩摂取量は1日10.7gですが、1日6g未満が目標です。塩分を身体の外に出す働きのあるカリウムが多く含まれるキノコ類や野菜、果物の摂取もお勧めです。
また、適度な運動を行いましょう。
ウォーキングや軽いジョギング、平らな場所でのサイクリング、ゆっくり長い距離を泳ぐのがいいでしょう。
できるだけ階段を使ったり、通勤時に1駅前で降りて歩くのもいい習慣です。
ただし、運動してはいけない人もいるので、まずは医師にご相談ください。
生活習慣を変えても血圧が改善しなければ、血圧降圧剤を服用して適正値にすることになります。
「血圧の薬は1度飲んだら一生やめられない。
だから飲まない」という考え方は大変危険です。
血圧を適正に保つことは、健康であり続けるためには不可欠なのですから。
◎参考文献
厚生労働省ホームページ、日本高血圧学会ホームページ
監修:田口 淳一医師
●管理栄養士の!血圧が気になる方への食生活アドバイス
- (1)うま味をきかせましょう
- うま味成分が豊富な食材であるコンブ・削り節・干ししいたけ・干しエビ・きのこ・貝類などを使って、薄味でも風味豊かに。
- (2)酸味を上手に使いましょう
- 魚をマリネや酢じめにするほか、 焼き魚のかけ醤油をかんきつ類のしぼり汁で割ってみましょう。
- (3)ピリ辛さを利用しましょう
- 赤唐辛子・トウバンジャン・練りがらし・カレー粉・しょうが・わさびなどで、味付けにアクセントを。
- (4)サプリメントを有効活用
- 食だけでは不十分な栄養素はサプリメントで補充。(カテキンなど)
●味気なくない!減塩レシピ「たらのクリームシチュー」
冬の定番料理クリームシチューに、美容成分たっぷりの酒粕、低カロリーのたらや野菜を使い、
ヘルシーであたたまるメニューをつくりました。具だくさんにすることで更にうまみがアップします。
1人あたり478kcal
※使用する野菜によって異なります
材料(4人分)
- にんじん ‥‥‥‥‥‥‥‥ 1本
- たまねぎ ‥‥‥‥‥‥‥‥ 1個
- ジャガイモ ‥‥‥‥‥‥‥ 3個
- ブロッコリー ‥‥‥‥‥ 1/4房
- たら ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 150g
- シチューの素 ‥‥‥ 3ブロック
- 酒粕 ‥‥‥ 100g(好みの量)
- 水 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 200cc
- 牛乳 ‥‥‥‥‥‥ 400~500cc
- バター ‥‥‥‥‥‥‥ 大さじ2
- 塩・コショウ ‥‥‥‥‥‥ 適量
- 小麦粉 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 適量
作り方
- (1)酒粕はひたひたの水でふやかしておく。
- (2)にんじん、たまねぎ、ジャガイモは一口大に切る。
- (3)水洗いしたたらを一口大に切って塩、コショウし、小麦粉をふりバターでいためる。
- (4)鍋にバターを熱し、2をいためたら、水を入れて煮込む。
野菜が柔らかくなったら、牛乳を入れ、沸騰したらシチューの素を入れてシチューを作る。 - (5)(4)にふやかした酒粕を入れ、煮込み、塩・コショウで調味する。
- (6)塩ゆでしたブロッコリー、たらを最後に入れ完成。