■インフルエンザの主な症状
下記症状が出たらインフルエンザが疑われます。すぐに医療機関へ!
●急に発症する38℃以上の発熱
●頭痛
●関節痛
●筋肉痛
●咽頭痛
●鼻汁
●咳など
■インフルエンザと風邪の違いは?
風邪は様々なウイルスによって起こりますが、全身症状が起こることは稀で、大体が喉の痛みや鼻汁、くしゃみや咳といった症状が一般的です。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされ、38℃以上の発熱の他、全身疾患が急に現れます。また、インフルエンザは流行性疾患で、一旦流行が始まると、短期間で膨大な数の人に感染するという点でも普通の風邪とは異なります。
■インフルエンザに特に注意するべき人は?
●乳幼児
●高齢者
●心臓・腎臓・呼吸器などに基礎疾患をもつ人
乳幼児は熱性けいれんや脳症を引き起こす可能性があります。また、高齢者や心臓・腎臓・呼吸器などに基礎疾患をもつ人は、気管支炎、肺炎などを併発したり基礎疾患の悪化を招いたりすることもあり、最悪の場合死に至ることもあります。
■インフルエンザの診断方法、治療方法とは?
現在、インフルエンザの診断にあたって医療機関等では、約15分程度で結果の分かる迅速診断キットを使用することが一般的です。
インフルエンザの治療には、重症度や合併症の有無を判断し、抗インフルエンザウイルス治療薬の投与を行います。インフルエンザに感染している間は、肺炎や神経系の合併症がおこらないか注意が必要です。
解熱剤の中にはインフルエンザ感染時に服用を避けた方が良いものもあるので、インフルエンザかなと思ったら自己判断せず、早めに医療機関を受診し、医療機関で処方された薬を服用しましょう。
■インフルエンザの予防方法は?
1)流行前のワクチン接種
予防接種によりインフルエンザ感染を完全に防ぐことはできませんが、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。また、予防接種の効果が現れるまでには通常約2週間程度かかり、その後効果は約5カ月間続きます。例年12月下旬にはインフルエンザの流行が始まることを考えると、10月の下旬から12月上旬までに接種を済ませておくのがおすすめです。
当院でも総合診療科にて、10月1日からインフルエンザワクチンの接種を行っています。
2)適度な湿度の保持
空気が乾燥すると喉の粘膜の防御機能が低下し、ウイルスが侵入しやすくなり、インフルエンザにかかりやすくなります。室内は特に乾燥しやすいので、加湿器などを使って適度な湿度(50~60%)に保つことも感染予防につながります。
3)外出後の手洗い等
日頃から手洗い、うがいを励行することはインフルエンザウイルスを物理的に除去する方法として有効です。また、咳症状のあるときにはマスクをするといった咳エチケットを意識することも大切です。
4)人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザが流行する時期には、幼児や高齢者、基礎疾患をお持ちの方などは極力人ごみへの外出を控えるのが良いでしょう。どうしても外出しなければならない場合は、マスクをするなどして飛沫感染を防ぐ努力をしましょう。
5)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
疲れが溜まっていると抵抗力が落ち、ウイルスに感染しやすくなります。日ごろから十分な休養を取り、バランスのとれた食事を心がけましょう。
監修:源河いくみ医師