■こんな症状に要注意!! 結核が疑われる症状
●咳や痰、微熱などの症状が長く続いている(2週間以上)
●体重が減ってきた
●食欲がない
●寝汗をかく
■結核ってなんですか?
結核とは、結核菌(Mycobacterium Tuberculosis)という細菌が空気感染により体内に入り発症する病気です。
主に肺に入り込み、リンパ節内で増殖し、肺病変をおこし進行すると肺が壊され呼吸する力が低下します。
肺以外の臓器、例えば腎臓やリンパ節、骨、脳などの部位も冒されることもあり、これを肺外結核と呼んでいます。
免疫力が低下している方ほど全身に病変が現れます。
■結核を放っておくとどうなるの?
症状が進行してしまうと、だるさや息切れ、血の混じった痰が出ることがあり、呼吸困難に陥って最悪の場合死に至ることもあります。
放っておいた場合の致死率が非常に高い疾患であり、周囲の人に感染を広めてしまう危険があるため、
上記のような症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
当院では総合診療科にて診察いたします。
■結核にかかりやすい人
免疫力が低下している方は結核にかかりやすいと言われています。
また、以下のような方も免疫力が低下しておりますので、注意が必要です。
●ステロイドを使っている方
●化学療法を行っている方
●透析を行っている方
●糖尿病を患っている方
●HIVに感染されている方
上記に当てはまる方は、少しでも体調の異変を感じたら医療機関ですぐに検査を受けられる方をお勧めいたします。
■結核の診断
結核の診断は細菌学的に行われます。主に喀痰を採取し、塗沫検査(顕微鏡で結核菌がいるかどうかを確認する検査、比較的早く結果が出る)、培養検査(培養させることで結核菌の存在を確認する検査、最終的な結果が出るまで2~3週間かかる)により診断します。
■結核の治療
結核は、菌を体外に排出している、いわゆる「排菌」している場合と、菌を体外に排出していない、つまり「排菌」していない場合があります。
排菌している場合は他の人に感染してしまう場合がありますので、入院による治療が行われ、排菌しない場合は通院による治療が可能です。 治療は基本的に3~4種類の薬剤を服用して治します。服用期間は6カ月を基本とし、個人の症状等によって長くなることがあります。
結核の治療は耐性菌の出現の予防や確実に治していただくために、DOT(Direct observation of therapy)と呼ばれる方法で投薬を行います。DOTとは、医者や看護師の前で服薬させたり、通院の場合は空の容器を持ってきてもらったりすることで確実に服薬していることを確認する方法です。
結核と診断されたら、医師の指示を良く聞いて従いましょう。結核は空気感染しますので、治療を途中でやめてしまったりすると周りの人に感染させてしまうこともあります。服薬を途中で辞めてしまったり服薬方法を守らなかったりすると抗結核薬に対して耐性ができて効果がなくなってしまいます。そうならないためにも指示を守り、治療を完了させることを心掛けましょう。
■結核を予防するためには?
結核の予防には、規則正しい生活で免疫力を低下させないことが重要です。
栄養バランスの良い食事と適度な運動、十分な睡眠を心掛けましょう。
また、結核は人から人へ空気感染しますので、不特定多数の人間が集まる空間にも注意が必要です。
日頃から予防意識を高く持って行動しましょう。
さらに、一年に一回の健康診断の実施や、症状が出た場合の医療機関への受診も必要です。
風邪のような症状が長く続いているようでしたら、早めに医療機関を受診してください。
周囲への感染を防ぐためにも、早期発見・早期治療が大切です。
監修:源河いくみ医師