歯ぐきから血が出る原因
歯磨きをしたときに、歯ぐきから出血が認められる場合は、お口の中に何らかの異常が生じている可能性があります。健康な歯ぐきであれば、ブラッシングでは、あまり出血しないからです。
歯ぐきから血が出る主な原因は歯周病です。歯周病は歯を支えている組織に細菌感染が生じる病気で、歯ぐきなどの炎症反応が主な症状です。炎症が生じた歯ぐきはブヨブヨに腫れあがり、ちょっとした刺激でも容易に傷つくようになります。その結果、出血が生じます。
歯周病について
歯周病は、歯を失う原因の第一位です1)。重症化すると、歯ぐきだけではなく、骨まで破壊されてしまいます。その結果、歯そのものを失うことになります。
歯周病は、大きく「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに分けることができます。
1)(公財)8020推進財団.
第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書.
東京: 8020推進財団; 2018.
歯肉炎
歯肉炎は、その名の通り歯肉(歯ぐき)だけに炎症が生じている状態で、比較的軽度の歯周病です。主な症状は歯ぐきの腫れやブラッシング後の出血です。
厚生労働省の歯科疾患実態調査によれば、歯肉出血がみられる人は多数おり、ほとんどの人が経験したことのある症状です。
歯周炎
歯周炎は、歯根膜や歯槽骨にまで細菌感染が広がった状態です。「噛んだ時に痛い」「歯がグラグラする」「歯ぐきに膿がたまる」などの症状が現れるようになります。
歯周病の治療
歯周病の治療は、細菌の温床となる歯垢や歯石を取り除くことが主な目的です。セルフケアとプロフェッショナルケアを両立させながら、清潔な口腔環境の確立に努めていきます。重症化した歯周病では、歯周外科治療や歯周組織再生療法などが必要となります。
「歯周病治療」について詳しくはこちら歯ぐきから血を出さないために
歯ぐきから血が出ることは、日々のブラッシングが不十分であることを意味します。出血があると余計にブラッシングしにくくなるかもしれませんが、細かいブラシの動きで丁寧に汚れを取り除くようにしましょう。もちろん患者様ご自身のブラッシングだけでは取り除けない汚れも多々ありますので、定期的にプロフェッショナルケアを受けてください。